外は冷たい空気につつまれ、木枯らしが吹いていても、あたたかな部屋で過ごす幸せは至福のひと時です。昨今ではライフスタイルにあわせた便利な暖房器具も登場していますが、エネルギー代の高騰に伴いその使用料も気になるところ。今回はファブリックスを使ったエコな冬の過ごし方をご紹介します。
空気は暖かいほうから冷たいほうに流れるために、冬の時期、室内の暖められた空気は、外気と接している部分から流れてしまいます。データによると戸建ての場合、開口部(窓)からの流出は58%となっています。つまり窓サッシ・ガラスを伝わって、暖気が逃げていく割合は全体の半分以上にもなるのです。
こうした窓からの暖気流出対策として簡単に効果をあげることができるのがカーテン。窓と室内の間に空気の層をつくることによって、冷気と暖気の流れを防ぐ「断熱」効果を得ることができます。データによると2DKの住宅でカーテンのない部屋と比較した場合、暖房エネルギーは16%節約できる、とあります。 ※(一社)日本インテリア協会の資料による
その効果を高めるには…
❶遮熱性の高いドレープとレースを選ぶ
もしデザインが気に入ったドレープが遮熱性の高くないものでも、裏地をつけることで効果をあげることができます。
❷なるべくたっぷり生地を使う
ボリュームを多くとった方が空気の層が増えます。できれば2倍ヒダがおすすめです。窓の上下や横から暖気が逃げていくことも考えて、カーテンレールは天井から取りつけ、余裕があるなら窓巾サイズより少し長い目に(+10㎝ほど)。
そしてカーテンの仕上り巾はなるべくゆったり目(レールサイズに対して+5%ほど)に。なお、腰高窓の場合でも仕上り丈は床までのサイズにするといいでしょう。
(窓の大きさや形、設置方法、また家具のレイアウトなどによって、条件が変わってきますので、状況に合わせて検討しましょう)
実はこの「断熱」効果は夏の時期の暑さ対策として応用もでき活躍もしており、一年を通じて快適な室内環境に貢献してくれます。
直接足が触れる床にはやはりカーペットがおすすめです。カーペットは空気を保つパイル構造のため、暖めた空気を逃がしません。フローリング使いが多い最近の住宅ですが、冬の季節にはヒヤッとした感覚を避けるためにもベッドやソファのそば、ワーキングデスク、ダイニングテーブル下にカーペットを使ってみませんか。部屋全体に敷きこむのはちょっと、という方もそれぞれに部分敷きをするテクニックなら手軽に取りいれることができると思います。
寒い季節、せめてお家の中ではお気に入りのインテリアに囲まれて、心も体も暖かくなる時間を過ごしたいものです。