昭和22（1947）年、創業者の深江實が、広島の地において株式会社大阪装飾工業営業所を創業しました。
創業当時の事業は、官公庁の内装関係が中心でした。
官公庁の指名業者としての公共工事や米軍基地の工事受注、更には百貨店の装工部門の工事請負など、第二次世界大戦後の日本の復興と共に商いを拡大していきました。
その後、内装工事を主体としていた事業活動から、物品の販売を中心とした卸売業としての方向性を探り、有力メーカーの代理店権を獲得し、資材卸として新たな事業展開を開始しました。
さらに、創成間もない室内装飾品の販売店の組織化に取り組みます。
昭和32（1957）年、販売店の研究団体（IAG）を結成、インテリアの専門店としての知識と技術向上をめざして様々な活動を展開し、今日に至るまで数多くの有力インテリア専門店を輩出しています。
このように取引先・販売先との関係を充実するとともに、企業力を高めていき、昭和37(1962)年には社名を「大装株式会社」に改めました。
また、欧米では一般的な「ウォール・ツー・ウォール」方式に注目し、カーペットを壁から壁まで敷詰め、メーカーがカーペットを原反(生地)から裁断カットして供給する方式が、生活様式が洋風へと変化する日本でも必ず浸透すると考え、昭和40(1965)年には、国内初のウォール・ツー・ウォール専門のカーペット加工供給会社を立ち上げました。
当時の業界としては画期的な試みである全国各地での施工技術研修会を、アメリカから施工技術者を招いて開催しました。
その後も市場においてカーペットの需要拡大と多様化が進む中、イージーオーダーによる部屋のサイズに合わせたカーペットの加工販売システム、建設市場を対象としたコントラクトカーペット「COM」の発表など、時代に即したインテリアの文化の向上に貢献してきました。
“昭和”の高度成長期での住宅需要の増加に伴いインテリア市場が拡大する中、代理店事業からの拡大転換を図るため、オリジナルカーテンの生産に着手。
昭和40(1965)年に「ドレープカーテン《アスワン》」の見本帳を発表。ここに初めて“アスワン”ブランドが誕生します。
このエジプト文明発祥の地にちなんだブランドは、“生活文化創造の源流となる”との思いが込められ、オリジナリティの確立を目指すものでした。
1970年代後半以降は経済的な成長と共に、多様化・個性化・高級化に移行していくマーケティング思考に合わせ、アスワンでも国内外のデザイナーブランドとの提携を始め、カーテンの新しい販売システム「ファブリカットシステム」を業界に先駆けて導入。
さらにはオーダーカーテンの多様化に対応するために縫製加工所を各地に開設。
こういったオリジナル商品企画を販促普及するとともに、従来からの代理店として取次建装商品の安定供給を踏まえた現在のATIS構想を昭和52(1977)年に発表し、この考えは現在も「Amenity by Total Interior Supply」アスワングループの理念として生き続けています。
昭和58(1983)年には、手織り絨毯のブームを起こす「シルクロード絨毯展」を全国で開催、昭和60(1985)年からは高機能カーペットとして現在も高い人気を誇る「ロボフロアー」を発表。
昭和62(1987)年には、高品位羊毛「ドライスデールウールカーペット」、また、高いデザイン性のマルチファブリックスシリーズ「ファブリックギャラリー」を新たに展開するなど、カーテン・カーペット共にブランドメーカーとしてのポジショニングを更に高めていきました。
平成4(1992)年、社名を｢アスワン株式会社｣に変更、ブランドと社名の統合によりブランドメーカーとしての存在を確かなものとします。
その後も、世界初のメリノウールカーペット・PTT繊維カーペットの商品化、業界初の光触媒壁紙など、独自性を追求した企画開発とともに、世界最高と言われるフランス「ミュルーズ染織美術館」との提携や、北欧ブランド「フィンレイソン」や「リサ・ラーソン」の商品展開など、新たなライフスタイルの価値観の提案にも取り組んできました。
創業より70年余、アスワンはこれからも、快適な生活空間の創造を目指し更なる進化を続けます。
